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"水道管の老朽化" 対策が急務 唐津市では水道管から水が漏れ出し約200戸で断水も 【佐賀県】
2022/11/08 (火) 18:50

【キャスター】
先日、唐津市和多田で水道管から水が漏れ出し、周辺の約200戸で一時断水が発生。漏水の原因は、水道管の老朽化でした。戦後の高度成長期に整備された多くの水道管が古くなり更新が急務となっています。
10月19日午後4時前、唐津市和多田で水道管にできた亀裂から水が漏れ出し、約200戸で断水が発生。このほか、サビが流れ出す赤水などの濁った水も確認。最大で約8900戸で流れ出たと想定されています。
この水道管は、85年前の1937年、唐津市で水道事業が始まったときに整備されたもので、約2メートルにおよぶ亀裂の原因は「老朽化」でした。
田中記者の解説です。
唐津では約85年前の水道管が使われていたということですが、これほど長く使われものなのでしょうか。
【田中記者】
水道管は地方公営企業法で耐用年数が40年と定められています。しかし、40年ごとの更新はあまりにも費用がかかるほか、あくまで経理上の基準ということで、この40年という数字は更新の目安として使われています。実際には自治体や企業団ごとにバラバラで、実際に使えるであろう「実耐用年数」と決めていて、素材によって違うんですが、平均で60年とされています。
唐津市では、1975年以前に整備されたもの約130キロメートルを2018年からの20年間で更新する計画を立てていますが、範囲が広いほか、水道管は道路を掘り起こして工事をするため、なかなか進めにくい現状もあります。
【キャスター】
できるだけ長く使いたいというのが、本音ですよね。
【田中記者】
ただ、この水道管の多くが戦後の高度成長期、1950年から70年ごろに整備されたものです。この時期に整備された水道管が、「実耐用年数」を超え、一気に老朽化を迎えていることが問題となっています。
更新の目安となる40年で見てみると、県内に約6800キロメートル張り巡らされている水道管のうち13.7%、約931キロメートルが40年を超えて「経年化」しています。
これは直線で佐賀市から東京都を超えるほどの長さになります。
【キャスター】
これだけ長いと水道管の更新作業も大変ですよね。県内での更新状況はどうなっているんでしょうか。
【田中記者】
100年あまり前の1916年に水道事業を始めた佐賀市の場合、40年を超える経年管が毎年増えている一方、1年間に進められる更新・耐震化は、平均で約1%です。かなり少ないように見えますが、距離にすると約11キロ、その費用は毎年10億円以上と高額になります。
【佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長】
「例えば70年前に20キロしたから、今年は20キロすると考えると、人の配分とか予算とかあるので、それはちょっと厳しい。なるべく均等化する形で工事の方は進めている。費用的に」
【キャスター】
一気に進めるのもなかなか難しいんですね。とはいえ重要なインフラですから、対策は取られているんでしょうか。
佐賀市では、実耐用年数を改めて見直したほか、耐震化も進めています。
【佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長】
「佐賀市水道事業経営戦略をもとに工事を実施している。老朽管の更新を70年以内に実施する。また、老朽管更新とは別に、地震に強い管路への更新として、耐震化されていない管を30年以内に耐震化を図ることになっている」
佐賀市では、以前、60年としていた実耐用年数を見直して70年にしました。また、耐震化も進めることで、費用を抑えながら水道管の延命化も図っています。
こうしたことで1%ほどの更新率でも運用上問題がないように進めていて、主要な水道管からの漏水は過去10年間発生していないということです。
【キャスター】
できるだけ費用を抑えつつ、更新していくことが重要ですね。
水道事業は、主に水道料金による収入で成り立っています。しかし、今後人口減少などにより、水道料金による収入も減っていくことが見込まれ、自治体などによっては、維持管理の負担が厳しくなっていくことも予想されます。
生活に欠かせない一方、目に見えないインフラだからこそ、しっかりとしたビジョンを示し、早めの対策が急務となっています。
先日、唐津市和多田で水道管から水が漏れ出し、周辺の約200戸で一時断水が発生。漏水の原因は、水道管の老朽化でした。戦後の高度成長期に整備された多くの水道管が古くなり更新が急務となっています。
10月19日午後4時前、唐津市和多田で水道管にできた亀裂から水が漏れ出し、約200戸で断水が発生。このほか、サビが流れ出す赤水などの濁った水も確認。最大で約8900戸で流れ出たと想定されています。
この水道管は、85年前の1937年、唐津市で水道事業が始まったときに整備されたもので、約2メートルにおよぶ亀裂の原因は「老朽化」でした。
田中記者の解説です。
唐津では約85年前の水道管が使われていたということですが、これほど長く使われものなのでしょうか。
【田中記者】
水道管は地方公営企業法で耐用年数が40年と定められています。しかし、40年ごとの更新はあまりにも費用がかかるほか、あくまで経理上の基準ということで、この40年という数字は更新の目安として使われています。実際には自治体や企業団ごとにバラバラで、実際に使えるであろう「実耐用年数」と決めていて、素材によって違うんですが、平均で60年とされています。
唐津市では、1975年以前に整備されたもの約130キロメートルを2018年からの20年間で更新する計画を立てていますが、範囲が広いほか、水道管は道路を掘り起こして工事をするため、なかなか進めにくい現状もあります。
【キャスター】
できるだけ長く使いたいというのが、本音ですよね。
【田中記者】
ただ、この水道管の多くが戦後の高度成長期、1950年から70年ごろに整備されたものです。この時期に整備された水道管が、「実耐用年数」を超え、一気に老朽化を迎えていることが問題となっています。
更新の目安となる40年で見てみると、県内に約6800キロメートル張り巡らされている水道管のうち13.7%、約931キロメートルが40年を超えて「経年化」しています。
これは直線で佐賀市から東京都を超えるほどの長さになります。
【キャスター】
これだけ長いと水道管の更新作業も大変ですよね。県内での更新状況はどうなっているんでしょうか。
【田中記者】
100年あまり前の1916年に水道事業を始めた佐賀市の場合、40年を超える経年管が毎年増えている一方、1年間に進められる更新・耐震化は、平均で約1%です。かなり少ないように見えますが、距離にすると約11キロ、その費用は毎年10億円以上と高額になります。
【佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長】
「例えば70年前に20キロしたから、今年は20キロすると考えると、人の配分とか予算とかあるので、それはちょっと厳しい。なるべく均等化する形で工事の方は進めている。費用的に」
【キャスター】
一気に進めるのもなかなか難しいんですね。とはいえ重要なインフラですから、対策は取られているんでしょうか。
佐賀市では、実耐用年数を改めて見直したほか、耐震化も進めています。
【佐賀市上下水道局水道工務課 副島新一管路計画係長】
「佐賀市水道事業経営戦略をもとに工事を実施している。老朽管の更新を70年以内に実施する。また、老朽管更新とは別に、地震に強い管路への更新として、耐震化されていない管を30年以内に耐震化を図ることになっている」
佐賀市では、以前、60年としていた実耐用年数を見直して70年にしました。また、耐震化も進めることで、費用を抑えながら水道管の延命化も図っています。
こうしたことで1%ほどの更新率でも運用上問題がないように進めていて、主要な水道管からの漏水は過去10年間発生していないということです。
【キャスター】
できるだけ費用を抑えつつ、更新していくことが重要ですね。
水道事業は、主に水道料金による収入で成り立っています。しかし、今後人口減少などにより、水道料金による収入も減っていくことが見込まれ、自治体などによっては、維持管理の負担が厳しくなっていくことも予想されます。
生活に欠かせない一方、目に見えないインフラだからこそ、しっかりとしたビジョンを示し、早めの対策が急務となっています。
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