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40年続いた名店の魂を受け継ぎ、地域の台所へ——古湯温泉街「温泉食堂」
約40年続いた名店の跡地に誕生
佐賀市富士町の古湯温泉街。その中心に温かな雰囲気をたたえた「温泉食堂」があります。
かつてこの場所で営業していたのはおよそ40年続いた「温泉食堂 権現(ごんげん)」。しかし店主が高齢になったことを理由に2023年、惜しまれながら閉店しました。「温泉食堂 権現がなくなったらご飯を食べるところが本当に少なくなる」——そんな思いから、オーナーの大坪さんが新たに「温泉食堂」をオープン。権現の看板メニューだった「かつ丼」や「ちゃんぽん」はそのままに、味は独自にアレンジしています。
最初はちゃんぽんの味の変化を惜しむ声もあったといいますが、「この味でいきます」と大坪さんは自分の味を貫きました。1年が経った今は観光客や地元の人から再び愛されるお店へと成長しています。
古湯出身ではないオーナーが紡ぐ、地域への恩返し
実は大坪さん、もともと古湯の出身ではありません。2年前、スナックを営業するためにこの地へやってきた"新人"です。「0から仲良くしていただいて」と振り返る大坪さん。自分を温かく迎え入れてくれたこの地域の人たちへ少しでも恩返しをしたい——その一心で、1年間料理を届けてきました。
地域には1人暮らしの方も多く、「一人暮らしだとカレーライスを作るのって面倒じゃないですか」という声に応えてカレーをメニューに追加したり「ラーメンが食べたい」というリクエストに応じてラーメンを取り入れたりと、地元の人の声をぎゅっと詰め込んだメニュー構成になっています。オープン以来メニューは日々増え続け、現在メインだけでも13種類ほどが揃っています。
大人気メニュー①「つゆだくふわふわのかつ丼」(950円)
店の大人気メニューのひとつが「つゆだくふわふわのかつ丼」(950円)です。黒い丼に盛られた豚カツの上に卵と玉ねぎ、刻みネギがたっぷりのった一品。醤油ベースの濃いめの出汁がふわふわの卵とザクザクとしたカツをくるんでいます。
「出汁の旨みが広がる」とリポーターが思わず感嘆するほどの味。つゆだくにするかしないかは要望に合わせて対応してもらえます。
ご飯の量については大坪さん自身がよく食べる方ということもあり、ついつい多めになってしまうのだとか。「年配の方にご飯の量を少なくしてくださいと言われます」と笑いながら話す大坪さんの人柄がこのボリューム満点の一杯にも表れています。
大人気メニュー②「牛乳仕立てのあっさりちゃんぽん」
圧倒的な人気を誇るもうひとつのメニューが「ちゃんぽん」です。大きな器にたっぷりのスープと麺、新鮮な野菜が盛り込まれたこの一杯は見た目は濃厚そうに見えますが実際に飲んでみると驚くほどあっさりとしています。
その秘密は「牛乳」。スープに牛乳を加えることで生まれるマイルドでクリーミーな味わいが最大の特徴です。「量をどのくらい入れるかをすごく研究して、今の分量に」と大坪さんが語るほど、試行錯誤の末にたどり着いた一杯です。
豊富なメニューバリエーション
2年目に向けた"とある挑戦"
1年間、地域に寄り添い続けてきた大坪さんには、2年目に向けてとある挑戦への思いがあります。「子ども食堂みたいな感じで地域の子どもが100円とか200円持ってきて、ラーメンとかうどんが食べられるような仕組みを作っていきたい」と大坪さんは話します。
「温泉食堂に寄ったら安心よというところまでできたらな」——地域の人たちへの恩返しの気持ちをさらに形にしようとする大坪さんの姿勢がこの食堂を単なるグルメスポットにとどまらない、古湯の"台所"たらしめています。
まとめ
店舗情報
- 店舗名 : 温泉食堂(英龍温泉内)
- 住所 : 佐賀市富士町古湯

