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佐賀の農業の未来を育てる 農業研修施設「トレーニングファーム」
佐賀県は農業大国として知られていますが、その農業を支える若手農家の育成にも力を入れています。今回は、未来の農家を育てる施設「トレーニングファーム」をご紹介します。
トレーニングファームとは?
トレーニングファームは、佐賀県内に複数箇所設置されている農業研修施設です。農業に興味があり、将来農家になりたいと考えている人たちが、2年間の研修を通じて栽培技術や経営ノウハウを学ぶことができます。
白石町にあるいちごのトレーニングファームを訪れたリポーターは、「ここは佐賀の未来のイチゴ農家を育てる施設なんですね」と、その役割の重要性を語りました。
充実した研修内容
トレーニングファームでは、農業未経験者でも一から学べるカリキュラムが用意されています。講師の松尾先生は、「まずは苗作りから教えています。イチゴというのは1年半かけて1作のイチゴを栽培します」と説明しました。
研修内容は栽培技術だけではありません。出荷のためのパック詰めなど、細かな作業まで含めて、いちご農家に必要なすべてのスキルを2年間で習得できるのです。
研修生の様子
取材時、研修2年目の研修生が株の手入れをしていました。「花が見えづらいと蜂がこの花を訪れることが難しくなるので、花を蜂が見つけやすくするためにこの作業は必要です」と、熱心に作業の説明をする姿が印象的でした。
この研修生は、以前は印刷関係の会社に勤めていた会社員だったそうです。「初めてここに入学前に訪ねた時に、いちごをお食べさせていただいて、大変感動したのを覚えています。これが人生のターニングポイントになるんじゃないかなと思いながら、この2年間過ごしてきました」と、農業への情熱を語りました。
トレーニングファームの魅力は、研修後のサポートも充実していることです。研修を終えた後、トレーニングファームのある地域で就農できるよう支援が行われています。
今回取材に応じてくれた研修生も、4月で2年間の研修を終え、トレーニングファームのすぐ近くでいちご栽培を始めることが決まっているそうです。
トレーニングファームの成果
講師の松尾先生は、トレーニングファームの成果について次のように語りました。「今大体平均1年に3人ずつ卒業しているんですが、例えば10年後になると30人、20年後は60人という形でどんどん増えていきます。彼らがこれからの佐賀県のいちご産地を支えていく、引っ張っていく、そういう存在になってくれればなという風に思っています」
農業の新たな担い手を募集中
トレーニングファームでは、新たな研修生を募集しています。今年の6月から来年スタートの新規受講生の募集が始まる予定だそうです。
農業に興味がある方、新しいキャリアにチャレンジしたい方にとって、トレーニングファームは大きなチャンスとなるかもしれません。40代からの転職組も多いそうで、年齢を問わず農業の道を目指す方を歓迎しているようです。
佐賀の農業を支える新しい担い手が、このトレーニングファームから次々と誕生することが期待されます。農業の未来を担う若手農家の育成に、トレーニングファームは大きな役割を果たしているのです。