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部員の9割が初心者なのに全国準優勝・優勝!武雄高校・少林寺拳法部の青春に密着
「静寂を突き破る、腕のスピードと響き渡る音」――。
佐賀県武雄市にある武雄高校(通称・武校)。少林寺拳法部は、インターハイで何度も優勝・準優勝を果たしてきた全国屈指の強豪です。
さらに驚くのは、部員の約9割が高校から競技を始めた“初心者スタート”だということ。経験ゼロから全国レベルへ――。
県内唯一の少林寺拳法部に、一体どんな強さの秘密があるのでしょうか。
武雄高校ってどんな学校?
武雄高校は、佐賀県武雄市にある高校で、スポーツ系・文化系を合わせて20の部活動があります。
生徒会も「全国大会に出場するほど強い部活がいくつもある学校」とPRするほど、部活動が盛んな学校として知られています。競技だけでなく文化活動にも力を入れており、校内には活気ある雰囲気が広がっています。
そんな武雄高校には、ユニークな校内文化も。多くの生徒が学校指定のバッグとセカンドバッグを前後に背負って登校する、その名も「前後スタイル」です。
生徒たちに聞いても「誰が流行らせたのか分からない」と話す、謎に包まれた伝統スタイル。強豪校らしい真面目さの中にも、どこか親しみやすい校風が感じられます。
県内唯一!創部18年目の少林寺拳法部
武雄高校の少林寺拳法部は、創部18年目を迎え、現在25人の部員が日々練習に励んでいます。
特筆すべきは、佐賀県内の高校で少林寺拳法部があるのは、武雄高校だけだということ。まさに県内唯一の存在です。
しかし、その希少な環境にとどまらず、実力は全国トップクラス。インターハイなど全国大会で数々の好成績を残しており、輝かしい実績が強さを物語っています。
少林寺拳法とはどんな武道?
少林寺拳法は、戦後の日本で創始された武道で、突きや蹴りといった打撃技に加え、投げ技や関節技などの護身術を組み合わせた総合武道です。
高校の部活動では、実戦的な技術だけでなく、技の正確さや美しさ、気迫などを競う「演舞競技」が行われています。
武雄高校少林寺拳法部の練習で行われていた「法形(ほうけい)」とは、攻防の場面を想定した技の型のこと。相手の突きやつかみに対し、受け、体さばき、反撃、そして制圧までを一連の流れで表現します。
技の順番はあらかじめ決まっているものの、部員は「分かっているけれど、分からないように見せる。そんな迫力ある演舞を目指しています」と話します。
本当に身を守る場面を想定した真剣さがあるからこそ、演舞にはリアリティと圧倒的な迫力が生まれるのです。
3つの演舞種目――単独・組・団体
演舞競技には、主に3つの種目があります。それぞれに異なる難しさと見どころがあり、武雄高校少林寺拳法部も全国の舞台で結果を残してきました。
① 単独演舞
1人で技の正確さや力強さ、美しさを表現する種目です。ごまかしのきかない競技で、個人の技術と精神力が問われます。昨年のインターハイでは、この種目で男子選手が見事優勝を果たしました。
② 組演舞
2人1組で行う演舞で、攻めと守りを分担しながら、呼吸を合わせて技を繰り出します。
技と技がぶつかり合う瞬間、静寂を切り裂くように響く腕の音と鋭い動き。その迫力は、その場にいた全員が思わず息をのむほどでした。
③ 団体演舞
6人1組で行われる種目で、技の正確さに加え、6人の動きを寸分違わずそろえる完成度が求められます。
部員は「そろえることと力強さの両立を意識しています」と話し、最も難しい点については「みんなで気合いを合わせ、一つになること」と語ってくれました。
9割が高校から始めた「初心者スタート」の強さ
これほどの実績を誇りながら、部員の約9割が高校入学後に少林寺拳法を始めたというのは、驚くべき事実です。
武雄高校少林寺拳法部のある部員は、入部のきっかけについてこう話してくれました。
「かっこいい先輩たちの演舞に憧れて、自分もできるようになりたいと思ったからです」
初心者が大半でありながら全国の舞台で戦える理由のひとつが、先輩から後輩へ受け継がれる丁寧な指導です。基礎からしっかり学べる環境が整っているからこそ、経験ゼロでも着実に力を伸ばしていけるといいます。
部員からは、「先輩たちが丁寧に教えてくれるので大丈夫でした」という声も聞かれ、その言葉からも温かな部の雰囲気が伝わってきます。
さらに、少林寺拳法の魅力について尋ねると、「苦手だった技や突き蹴りが上達したと実感できること」と答えてくれました。
日々の練習の中で自分の成長を感じられること。それが、努力を続ける大きな原動力になっているようです。
プレッシャーを「楽しむ力」に変える
全国大会で結果を残してきた強豪だからこそ、次の大会にかかる期待やプレッシャーは決して小さくありません。
それでも、武雄高校少林寺拳法部の部員たちは、その重圧を前向きに受け止めています。
「プレッシャーはありますが、あまり考えすぎないようにしています。大会では、自分たちが持っている力を出し切ろうという気持ちで臨んでいます」
さらに、大会ならではの緊張感について尋ねると、こんな言葉も返ってきました。
「緊張もありますが、それ以上に楽しもうという気持ちのほうが強いです」
勝たなければならない――そんな重圧に飲まれるのではなく、積み重ねてきた努力を信じ、舞台そのものを楽しむ。
この前向きな姿勢こそが、武雄高校少林寺拳法部の強さを支えているのかもしれません。
夏のインターハイへ、全力で
取材の最後には、武雄高校少林寺拳法部のキャプテンが、夏の大舞台へ向けた力強い決意を語ってくれました。
「武雄高校少林寺拳法部は、夏のインターハイに向けて日々練習に励んでいます。それぞれが出場する種目で入賞・優勝、そして男女ともに団体演舞1位を目指して、全力で頑張ります。応援よろしくお願いします」
全国屈指の強豪として積み重ねてきた誇りと、さらに上を目指す挑戦心。
この夏、武校旋風を巻き起こす戦いに注目です。
まとめ:心を磨き、技を極める25人の青春
県内唯一の少林寺拳法部として、全国の舞台で武雄の名を響かせようと、武雄高校少林寺拳法部の25人の部員たちは、今日も体育館に気合いの声を響かせています。
初心者からスタートし、先輩から後輩へと受け継がれてきた伝統と情熱。さらに、どんな大舞台でも「楽しむこと」を忘れない前向きな強さ――。
その積み重ねが、全国屈指の実力へとつながっています。
この夏のインターハイでも、武雄高校少林寺拳法部の活躍から目が離せません。熱い声援をよろしくお願いします。

