ピックアップ
pickup
唐津バイオマス発電所ってどんな場所?「一般家庭およそ11万世帯分」の電力を生み出す発電施設を徹底紹介
そもそも「バイオマス発電」とは?
バイオマス発電とは石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料ではなく、生物由来の再生可能な資源「バイオマス」を利用した発電のことです。
加藤所長はこう説明します。「従来からある火力発電所では石炭や石油を使っていますが、その燃料をバイオマス燃料に置き換えた発電所がバイオマス発電所です」。発電の仕組み自体は火力発電と似ていながらも、燃料を生物由来の資源に切り替えることで環境負荷を低減しようという取り組みです。
唐津バイオマス発電所の基本情報
唐津バイオマス発電所は唐津市佐志に位置しています。東京に本社を置く株式会社レノバが運営する発電施設で、建物の敷地面積はおよそ4万平米。「東京ドームが大体4万5,000〜4万6,000平米くらいなので、それより少し小さいくらいの敷地面積です」と加藤所長が説明するように、非常に大規模な施設です。
年間発電量はおよそ3億5,000万kWh(キロワットアワー)で一般家庭およそ11万世帯分の年間使用電力量に相当するといいます。
使われる燃料は2種類——「パーム椰子殻」と「木質ペレット」
唐津バイオマス発電所では2種類のバイオマス燃料が使用されています。
パーム椰子殻(PKS)はパームヤシの果実からサラダ油や化粧品などに使用する油を搾った残りかすのこと。廃棄されていた素材を燃料として再活用しています。
木質ペレットは森林を育てる際に生じる間伐材や製材工場などから出るおがくずを細かく砕いて圧縮成形した木質燃料です。木の廃材を有効活用した資源といえます。
これらの燃料は唐津港にある燃料保管庫から発電所へ、1日延べ60台のトラックによって運ばれてきます。1台のトラックに積まれる燃料量はおよそ20トン弱。毎日大量の燃料が、この発電所を支えています。
発電所見学ツアー!燃料が電気になるまでの流れ
ステップ① 燃料の受け入れ
ステップ② ボイラーで蒸気を生成
貯蔵された燃料はコンベアを通じて白い円筒状タンクへ一時保管され、そこからボイラーの中へ流し込まれます。ボイラーの小窓を覗くと燃料がオレンジ色の炎の中へ落ちていく様子が見えます。「ちらちらオレンジ色が見えますよね」という加藤所長の言葉にリポーターも「燃料が流れていってるのが見える」と感動した様子でした。
ボイラーの役割は燃料を燃焼させた熱で蒸気を生み出すことで、発電所の「心臓部」とも呼ばれる重要な設備です。
ステップ③ タービンで電気を生成
ステップ④ 変圧して送電
ステップ⑤ 中央操作室で一括管理
なぜ「カーボンニュートラル」と言えるのか?
バイオマス発電の大きな特長のひとつが、「カーボンニュートラル」という考え方です。発電時にバイオマスを燃焼させるとCO2が排出されますが、バイオマスの原料となる植物は成長の過程で光合成によって大気中のCO2を吸収しています。そのため、排出されるCO2はもともと植物が大気中から吸収したものとみなすことができ、原理的に大気中のCO2を増やさない発電方式として位置づけられています。
化石燃料を掘り起こして燃やすことで新たなCO2を大気中に加えてしまう従来の火力発電とは根本的に異なる点です。

