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2026.04.08

唐津バイオマス発電所ってどんな場所?「一般家庭およそ11万世帯分」の電力を生み出す発電施設を徹底紹介

地球環境への配慮が叫ばれるなか、佐賀県唐津市に注目の発電施設があります。生物由来の資源を燃料として使う「バイオマス発電」の仕組みとは何か、そして地域にどんな恩恵をもたらしているのか——リポーターが唐津バイオマス発電所を訪れ、所長の加藤さんに案内していただきながら、その全貌をご紹介します。

そもそも「バイオマス発電」とは?

バイオマス発電とは石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料ではなく、生物由来の再生可能な資源「バイオマス」を利用した発電のことです。

加藤所長はこう説明します。「従来からある火力発電所では石炭や石油を使っていますが、その燃料をバイオマス燃料に置き換えた発電所がバイオマス発電所です」。発電の仕組み自体は火力発電と似ていながらも、燃料を生物由来の資源に切り替えることで環境負荷を低減しようという取り組みです。

唐津バイオマス発電所の基本情報

唐津バイオマス発電所は唐津市佐志に位置しています。東京に本社を置く株式会社レノバが運営する発電施設で、建物の敷地面積はおよそ4万平米。「東京ドームが大体4万5,000〜4万6,000平米くらいなので、それより少し小さいくらいの敷地面積です」と加藤所長が説明するように、非常に大規模な施設です。

年間発電量はおよそ3億5,000万kWh(キロワットアワー)で一般家庭およそ11万世帯分の年間使用電力量に相当するといいます。

使われる燃料は2種類——「パーム椰子殻」と「木質ペレット」

唐津バイオマス発電所では2種類のバイオマス燃料が使用されています。

パーム椰子殻(PKS)はパームヤシの果実からサラダ油や化粧品などに使用する油を搾った残りかすのこと。廃棄されていた素材を燃料として再活用しています。

木質ペレットは森林を育てる際に生じる間伐材や製材工場などから出るおがくずを細かく砕いて圧縮成形した木質燃料です。木の廃材を有効活用した資源といえます。

これらの燃料は唐津港にある燃料保管庫から発電所へ、1日延べ60台のトラックによって運ばれてきます。1台のトラックに積まれる燃料量はおよそ20トン弱。毎日大量の燃料が、この発電所を支えています。

発電所見学ツアー!燃料が電気になるまでの流れ

リポーターは加藤所長の案内のもと、実際に発電所内を見学しました。燃料が電気に変わるまでの一連の流れを順番にご紹介します。

ステップ① 燃料の受け入れ

トラックが運んできたパーム椰子殻や木質ペレットはまず発電所の燃料受け入れ口へと投入されます。そこからコンベアで奥へ運ばれ、垂直に上昇したのち横方向のコンベアでタンクへと落とし込まれ貯蔵されます。

ステップ② ボイラーで蒸気を生成

貯蔵された燃料はコンベアを通じて白い円筒状タンクへ一時保管され、そこからボイラーの中へ流し込まれます。ボイラーの小窓を覗くと燃料がオレンジ色の炎の中へ落ちていく様子が見えます。「ちらちらオレンジ色が見えますよね」という加藤所長の言葉にリポーターも「燃料が流れていってるのが見える」と感動した様子でした。

ボイラーの役割は燃料を燃焼させた熱で蒸気を生み出すことで、発電所の「心臓部」とも呼ばれる重要な設備です。

ステップ③ タービンで電気を生成

ボイラーで作られた蒸気は配管を通じてタービン室へと送られます。その蒸気の力でタービンを回転させ、さらにそのタービンにつながった発電機を動かすことで電気が生み出されます。「タービン室の中は機械が動いている音がとても大きく会話ができないくらいです。正面に見える青い機械が発電機になります」と加藤所長が説明してくれました。

ステップ④ 変圧して送電

発電機で作られた電気はケーブルを通じて変圧器へと送られ、6万6,000ボルトの電圧に変換されます。その後に地下ケーブルを通じて九州電力へと送電されています。

ステップ⑤ 中央操作室で一括管理

発電所内のすべての工程は中央操作室でコントロールされています。「ボイラーが発電所の心臓だとすると中央操作室は頭脳、ブレインになります」と加藤所長が表現するように、安心・安全な運転を支える司令塔の役割を担っています。

なぜ「カーボンニュートラル」と言えるのか?

バイオマス発電の大きな特長のひとつが、「カーボンニュートラル」という考え方です。発電時にバイオマスを燃焼させるとCO2が排出されますが、バイオマスの原料となる植物は成長の過程で光合成によって大気中のCO2を吸収しています。そのため、排出されるCO2はもともと植物が大気中から吸収したものとみなすことができ、原理的に大気中のCO2を増やさない発電方式として位置づけられています。

化石燃料を掘り起こして燃やすことで新たなCO2を大気中に加えてしまう従来の火力発電とは根本的に異なる点です。

地域雇用への貢献も

唐津バイオマス発電所は環境面だけでなく地域の雇用促進にも貢献しています。所員およそ30人のうち11人は地元の高校出身の方などによる現地採用とのこと。地元の若者が活躍できる職場として地域に根ざした運営が行われています。

まとめ

「資源には限りがあって地球を大切に使わなければいけない。こういった取り組みはこれから増えていくんじゃないかと思います」とリポーターが語るように唐津バイオマス発電所は環境・エネルギー・地域雇用という複数の課題に同時にアプローチする、時代の要請に応えた施設です。私たちの日常の電力を支えながら、地球の未来にも貢献する取り組みにぜひ注目してみてください。
【2026年3月31日放送 かちかちLIVE サガSagace より】

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