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〜致遠館中学校茶道部の青春〜「和敬静寂」の心で育む美しい所作
文武両道を誇る致遠館中学校
「私たちの学校、致遠館について少しだけ紹介します。致遠館中学校は授業に真剣に取り組み、部活動にも全力で励む文武両道を大切にしている学校です」と語るのは、生徒会長の溜渕ほの香さん。
致遠館中学校は中高一貫校として、質の高い教育環境を提供しています。生徒会が選ぶ学校の魅力ベスト3では、第3位に「経験豊富な先生方と深い学びができること」、第2位に「体育大会、文化発表会が大盛り上がり」、そして第1位には「部活動と勉強を両立して高いレベルでできること」が挙げられました。
特筆すべきは、部活動加入率が90パーセントを超えているという点です。運動部と文化部合わせて19の部活動があり、多くの生徒が学業と部活動を両立させながら、数々の大会で高い成績を残しています。
22年の歴史を持つ茶道部
致遠館中学校茶道部は、創部22年を迎える歴史ある部活動です。現在は7名の部員が週に一度、和室で練習に励んでいます。部活動の大きな特色として、年に一度、お世話になった学校の先生方にお茶を点てて、おもてなしを行うという活動があります。
部員たちが茶道部に入部したきっかけは様々です。ある部員は「私の祖母が茶道をしていたのを見て、興味を持ち茶道部に入りました」と話します。祖母に茶道部に入ったことを報告した際、「手順が複雑で難しいから頑張ってね」と励ましの言葉をもらったそうです。
茶道の奥深さ〜右手と左手の使い分け〜
茶道の難しさについて尋ねると、部員の一人は「右手と左手を使い分けが難しいです」と答えました。茶道では、道具の扱いから所作に至るまで、すべてに意味があり、右手と左手の使い分けも重要な要素の一つです。
部長の加藤小夏さんと副部長の吉牟田結心さんは、茶道部の活動について詳しく説明してくれました。
「和敬静寂」の心を大切に
茶道部が最も大切にしているのは「和敬静寂」という茶道の心得です。部長の加藤さんは、白い紙に太筆で書かれた「和敬静寂」の文字を掲げながら説明しました。
「和敬静寂とは、茶道の心得を四つの漢字で表したものです。和はみんな仲良くすること、敬はお互いを敬うこと、静は茶室や道具などだけでなく心の中も清らかであること、寂はどんなときにも動じない穏やかな心を表しています」
加藤さんは続けて、「私たちはただお茶を点てる技術を磨くだけでなく、言葉どおり日々のお稽古を通じて相手を思いやる心と、自分と向き合う静かな時間を大切にしています」と語りました。
三種類のお辞儀を学ぶ
茶道では、お辞儀にも厳格な作法があります。吉牟田さんの説明によると、茶道のお辞儀には「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」という三種類があります。
「まず、『真』です。正式なお辞儀で、お茶をいただくときなどに使います。手はハの字に開いて、手のひらをぺたんとすべて畳につけるお辞儀になります」
実際にリポーターたちも体験し、「真」のお辞儀を教わりました。正座した状態で、手をハの字に開いて手のひらを畳にしっかりとつけ、深くお辞儀をする姿は、とても美しく厳粛な印象を与えました。
季節を感じるお茶菓子
茶道の作法では、お茶の前にお菓子をいただくのが習わしです。この日用意されたお菓子は、佐賀市にある古湯の亀屋さんからいただいたウグイスと梅の和菓子でした。
部員の江口なこさんは、「茶道では、季節に合ったお菓子とともに日々心を込めて稽古しています」と説明しました。2月という季節にふさわしい、春の訪れを感じさせるウグイスと梅のお菓子は、きな粉の優しい味わいで、「柔らかくてしっとりした」食感だったそうです。
丁寧なお茶の点て方
お菓子をいただいた後は、いよいよお茶を点てる時間です。茶碗にふるった抹茶を入れ、お湯を注ぎます。そして茶筅を使って、まずは底の抹茶を混ぜるようにゆっくりと動かします。
「茶筅を数字の1を書くように前後に動かします。泡が立ったら、のの字を書くようにして茶筅を上げます」という説明の通り、部員は細かく繊細にお茶を点てていきました。泡が立ったところで、のの字を描くように茶筅を動かし、最後に静かに茶筅を上げて完成です。
おもてなしの一杯
点て上がったお茶は、リポーターに「おもてなしの一杯」として差し上げられました。静寂の中、茶碗が運ばれてくる様子は、まさに茶道の精神である「おもてなしの心」を体現していました。
お茶をいただいたリポーターは、「お椀に顔を向けたときにすごくお茶の香りがとしてきて、体の中を通っていくお茶で自分が律されていくのがはっきりと分かります」と感想を述べました。
さらに、「一週間に一回でも、一か月に一回でも茶道のお時間は必要かなと思いました」と、茶道の持つ心を落ち着かせる効果を実感していました。
美しい振る舞いを目指して
茶道部の今後の目標について、部長の加藤さんは力強く語りました。
「私たちの今後の目標は、和敬静寂の心で美しい振る舞いを身につけることです。先ほど言ったこの和敬静寂の心は目に見えないものです。なので、相手への敬意を込めた丁寧な所作を行うことで、その心を目に見える形で相手に届けたいと思います」

