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鳥栖高校 競技かるた部に迫る!短期間で全国レベルの強豪へ
躍進を続ける競技かるた部
4月に行われた佐賀県大会で、競技かるた部は3年連続団体優勝を達成。全国高等学校総合文化祭(総文祭)の県代表としての出場が決まりました。創部からわずか3年での快挙に、強豪としての風格すら漂います。
取材時も部員たちは集中して練習に励んでおり、札を払う速さと正確さは圧巻でした。リポーターも挑戦してみましたが、手の動きがまったく見えないほどのスピード感に驚かされました。
競技かるたの世界
競技かるたは、1対1で行うスピードと集中力の勝負。
- まず、100枚の取り札の中から50枚を無作為に選び、それを2人のプレイヤーが25枚ずつ分け合います。札は、自分の前に「上・中・下段」と自由に並べて配置。このエリアを「自陣」と呼びます。
- 試合が始まると、読み手が和歌の「上の句」を詠みます。2人はそれを聞き、詠まれた和歌に対応する札を素早く探し出し、先に正しい札に触れた方がその札を取ることができます。
- 勝敗は、自陣の札をすべて先に取り終えた方の勝ち。
聞き取り力・記憶力・反射神経・精神力が問われる、まさに“畳の上の格闘技”です。
3年連続優勝の秘訣
部長の桑原さんは次のように語ってくれました。
「部員のほとんどが高校に入ってから競技かるたを始めました。先輩たちの熱心な指導に加え、YouTubeで名人の技を研究したり、地元の鳥栖かるた練習会に自主的に参加したりと、日々技術を高める努力を続けています」
自主性と学びの姿勢が、3年連続の県大会制覇へとつながったのです。
練習内容と勝利への4つの要素
特別な練習メニュー「はらい練」
自陣・敵陣左右の四隅にある札を、どの方向にも無理なく・素早く払えるようにする練習です。スムーズな体の動きが求められます。
勝つために重要な4つの要素
- 暗記力:試合開始時、すべての札の配置を記憶する能力
- 瞬発力:読み手の声に即座に反応して手を伸ばす反射神経
- 集中力とメンタルの強さ:試合は80分を超えることがほとんど。相手の動きに動揺せず、冷静さを保つ精神力
- 体幹:静けさとは裏腹に、安定した姿勢と動作が要求される。まさに"畳の上の格闘技"
全国大会への挑戦
桑原さんは、7月19日から滋賀県で行われる第47回全国高等学校選手権大会への出場に向けて、こう話してくれました。
「まずは団体戦で1勝を挙げることが目標です。全国の舞台でも、自分たちらしい戦いができるよう頑張ります!」
伝統と実績を誇る鳥栖高校
鳥栖高校は、2026年に創立100周年を迎える佐賀県屈指の伝統校です。生徒会長によると、校訓は「知を愛し、和を敬い、心を培え」。東部地区の中高一貫校として、学習と部活動の両立を目指し、日々向上心を持って取り組んでいるそうです。
進学実績も非常に優秀で、昨年は国公立大学に126名が合格。運動部も強く、男子テニス部が県高校総体で団体優勝、野球部が県大会優勝と文武両道を体現しています。
さらに注目すべきは体操競技部です。県高校総体でなんと54年連続・58度目の優勝を果たし、九州総体では団体2位と輝かしい成績を収めており、インターハイでもさらなる活躍が期待されています。