佐賀県の農業・林業などの事業者の6次産業化を強力にサポートする「さが農村ビジネスサポートセンター」。
平成26年の設立以来、延べ160事業者以上を支援し、280もの新商品・サービスの開発に貢献してきました。
今回は、佐賀の農業に革新をもたらす同センターの取り組みと、支援を受けた事業者の成功事例を詳しくご紹介します。

さが農村ビジネスサポートセンターは、佐賀県内の農業、漁業、林業を営む生産者が、自らの生産物を活用した6次産業化を実現するための心強い味方です。商品開発、販路開拓、経営改善など、6次産業化に必要なあらゆる側面をサポートしています。センターの担当者は、「事業者の皆様の状況やご要望に合わせて最適な専門家を派遣し、商品化、事業化を丁寧にサポートしています」と語ります。

センターの支援によって成功を収めた事例の一つが、みやき町の牧場「フライングカウ」です。

牧場を経営する大富さんは、「毎日大切に育てている牛から搾られる牛乳を使って何か新しい商品を作りたい。でも、何から始めればいいのか全く分からなかった」と当時を振り返ります。
そんな時、さが農村ビジネスサポートセンターの存在を知り、相談に訪れたことが転機となりました。

さが農村ビジネスサポートセンターのサポートは、商品開発から経営戦略まで多岐にわたります。フライングカウは、具体的に以下のような支援を受けました。

• 魅力的なロゴデザイン: 「フライングカウ」のブランドイメージを確立するロゴと、看板商品「牧場プリン」のデザインを専門家が担当。
• 洗練されたパッケージデザイン: 商品の魅力を最大限に引き出すパッケージ（箱やパンフレットなど）のデザインをサポート。
• 的確な原価計算: 商品の価格設定や経営戦略に不可欠な原価計算について、専門家によるアドバイスを提供。

フライングカウの看板商品として大人気の「プリンソフト」も、センターからのアドバイスがきっかけで誕生しました。
当初は2段半だったソフトクリームは、試行錯誤を重ねるうちに5段まで伸びるようになりました。
しかし、重要なのは見た目だけではありません。センターによる原価計算の結果、採算が取れるギリギリの高さが現在の5段だったのです。
大富さんは「原価計算のサポートは本当に助かりました」と感謝を述べます。

さが農村ビジネスサポートセンターの支援を受け、大富さんの「愛情込めて育てた牛の牛乳を、より多くの人に届けたい」という夢は現実のものとなりました。
フライングカウは現在、鳥栖への2号店出店も計画しており、更なる飛躍を目指しています。
センターの担当者は、「大富さんのように、夢を夢で終わらせるのではなく、事業を長く継続できるようにしっかりとサポートしていきたい」と力強く語りました。

さが農村ビジネスサポートセンターの取り組みは、佐賀の農業に新たな可能性をもたらしています。
6次産業化は、生産者の夢の実現はもちろんのこと、地域経済の活性化にも大きく貢献する重要な取り組みです。今後も、同センターを通じて佐賀県から多くの魅力的な商品やサービスが生まれることが期待されます。

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