1. TOP
  2. 記事一覧
  3. ピックアップ
  4. 地中熱を活用し“ハウスミカン”を栽培!「江川農園」【佐賀県唐津市】

ピックアップ

pickup

2024.07.02

地中熱を活用し“ハウスミカン”を栽培!「江川農園」【佐賀県唐津市】

そもそもカーボンニュートラルというのは…?

「二酸化炭素など地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量から森林などによる吸収量を差し引いて実質的にゼロとすること」

今回のテーマは「地中熱活用で目指せ!カーボンニュートラル」

以前も地中熱を活用した施設をご紹介しました。
カーボンニュートラルとは?SAGAサンライズパークにヒントが!?
新しいエネルギー "地中熱"を使いカーボンニュートラルな空調設備に?

地中の10mより深いところは、一年中15度くらいに保たれています。
だから外の気温と比べると、暑い夏は、冷たく感じ、寒い冬は暖かく感じるということです。
例えば夏は、気温30度を超えることがよくありますが、その熱を地中に放熱することで温度が下がり、冷たい空気を室内に送ることで冷房の役割になります。

逆に冬は、地中の熱をくみ上げて、室内に送ることで暖房の役割になるという仕組みです。

地中熱活用は、冷暖房で使用するエネルギーを削減する省エネ技術です。

地中熱活用は今注目されているんですが、いまこの地中熱エネルギーを使って、あるものを作っているということで、今回、そこに行ってみました!


地中熱エネルギーといえば、商業施設の空調利用というイメージがありますが…唐津では、唐津の特産物である「ハウスミカン」を地中熱利用で作っています。

一体どういうことなのか?
実際に浜玉町で地中熱を活用してハウスミカンを栽培している「江川農園」さんにお邪魔しました!
こちらは株式会社Fselect代表取締役の江川さん
ハウスミカンを育てるうえで、地中熱エネルギーをどう活用している?

従来は重油を使った暖房機のみで暖房していましたが、現在は地中熱利用で足りない部分を重油でまかなっているそうです。

ハウスミカンの栽培は「真冬に真夏を迎えさせる」ことが必要なため、温度の管理が必要になってきます。

例えば、冬の間、外が5℃の時にはハウスの中は約25℃程度をキープしないといけないそうです。

こちらが「地中熱利用空調システム」です。

撮影当時の外気温は32℃。
地表の温度から比べると、地中の温度は冷たいです。

温かい温度を地中に持っていき、上に上がってくるときは冷たい温度になって戻ってきます。地中熱は「冷やす」という効果もあるんです。

冬は、ここのハウスの外気温は約0℃。
ハウスは今までは重油を使って温めていましたが、その一部を地中熱を使って温めています。

地中熱エネルギーを活用したことで、重油は約30%削減できたそうです。
CO2は、約25トン削減できているそうです。
こちらは、ハウスの中にある「空調機」
ハウスの中に何台も並んで置かれています。

空気は冷たく、温度は20.4℃になっています。

株式会社Fselect代表取締役の江川さんは「日本にあるエネルギーを使って安定的に作ることができれば、もっと消費者の方に安定した価格で届けられる。誰かがやらないことには、次のエネルギー転換につながらないと思って、まず自分から地中熱を活用しています」

有明未利用熱利用促進研究会によると、佐賀県は「地中熱エネルギー活用」に適した土地とのこと。
地盤がやわらかいところが多いので、パイプを埋設する際、固い地盤のところよりかはコストが少なくて済むという理由からなんです。

この地中熱を活用することでカーボンニュートラル社会の実現への第1歩に近づくのではないかと期待されています。

【2024年6月26日放送 かちかちLIVE 知ってる?カーボンニュートラルより】

関連記事

※各記事に掲載している料金やサービスについては、記事を掲載した時点での情報になります。掲載当時から料金やサービスが変更になっている場合がございます。
RECOMMEND