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2022.07.23

佐賀は"メタボ大国"振り向けばワースト⁉佐賀の肝がん

少し前まで、佐賀県の肝臓がんの死亡率は全国ワーストワン!と言われて「B型肝炎・C型肝炎の検査に行きましょう」と、キャンペーンしていましたよね。その甲斐あって、肝炎検査や治療が一定数進んで、ワーストは脱却しているんです。が! 実はまたこんな状況になっているんです。
都道府県別・肝がん粗死亡率

赤い線が佐賀県ですが、2018年度に全国ワーストを脱却。19年度にはワースト12位まで回復させたのですが、翌20年度にはリバウンドをして、なんとワースト2位まで戻ってしまっているんです。そこで、今一度気を付けてほしい!ということで「肝がん」について知っていきましょう。

肝疾患センター 高橋さん

今回は佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター センター長の高橋教授にウイルス性肝炎の基礎から伺いました。

ウイルス性肝炎と肝がんの関係は?

ウイルス性肝炎が続くと肝がんになります。ウイルス性肝炎を治療すると肝がんも減らすことができます。

肝がんを引き起こす肝炎

  • B型肝炎
  • C型肝炎(佐賀県はC型肝炎が多い)
肝臓がんで亡くなる方は減ってきていますが、まだまだ肝炎の検査や治療が終わっていない方がたくさんいます。
なぜまたワースト2位に?

肝がんの死亡率が上がった原因は2つ
ひとつ目は肝炎ウイルスの治療が終わった後の方

治療後に検査をせずに、がんができてしまうというケースがあります。

ウイルスの感染については、例えば治療薬で抑える、もしくはウイルスを消すことができています。ところが肝臓自体はウイルスが消えたその日にツルツルに良くなるかというとそういう訳ではなく、そこから正常の肝臓に戻るまでに肝硬変の人だと最低15年かかります。
ウイルス除去だけでは意味がない?

まだ肝臓に傷跡が残っているので、ここから肝臓がんが出ることがあります。初期のがんが出た直後に見つけるためには定期的な通院と検査を続けてもらわないといけません。

肝炎ウイルスの除去は治療のスタートなんです。

もう一つの原因は脂肪肝からの肝臓がんが増えている

佐賀県の肝がん成因の推移

佐賀県はウイルス性の肝がんと同じくらいの数で脂肪肝からの肝がんが増えています。2016年にほぼ同数となり、それ以降逆転しています。これは全国的傾向だそうです。

肝がんを引き起こす脂肪肝は…
  • メタボリックシンドローム
  • アルコール摂取過多     から起因
佐賀はメタボが多い

佐賀県のメタボ関連状況は、ワースト上位ばかり。糖尿病疑い(ワースト1位)、お腹周りの腹囲(ワースト2位)、メタボ予備群(ワースト3位)となっているんです。

なぜ佐賀県はメタボが多いのか
  • 車社会のため「歩かない」といわれています
  • 佐賀県は非常に美味しい食べ物やお酒があるため誘惑も多い

 肝臓と健康のことを考えて適切なお酒との付き合いが大事!

肝がんのヘルシーヒント
  • 肝炎の検査を受けましょう
    まだ検査・治療が行き届いていないところもあります
  • ウイルス除去後も通院を
    一旦悪化した肝臓は、根気強い点検が必要
  • 佐賀は特に「脂肪肝」注意
    肝がん=ウイルス性肝炎は「今は昔」。脂肪肝と双璧。佐賀はメタボ大国だった!
【2022年7月20日 かちかちPress いきいきヘルシーヒントより】
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