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"カモ"の大群を花火で撃退! 麦を食い荒らす食害が深刻 近年は有明海の養殖ノリも被害に【佐賀県】

2023/01/30 (月) 18:40

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ある鳥の話題。大群で空を飛ぶ姿が相次いで目撃されている一方、麦を食い荒らす食害も各地で確認されています。

1月14日、伊万里市で撮影されたこちらの映像。無数の鳥が塊で動いています。3日後には、有田町でも。
専門家によるとこれは“カモ”。鳴き声や飛ぶスタイルなどから渡り鳥の「トモエガモ」とみられています。
もともとは朝鮮半島などで冬を越していましたが、最近は日本へ来るようになっていて、春先に北へ帰るということです。
一方、農家を悩ませるカモも。数十羽の群れが食べているのはこの時期、コメの裏作として栽培されている麦です。生育が遅れ収量が落ち込むだけでなく、コメの田植えも遅れるおそれがあります。

【農家・武富直樹さん】
Q「芽を食べている?」「この葉先、で、ずっとこれが新しい芽がここから出てくっとですよ、そいを、新芽のときがやわらかくておいしかとですよね。けん、そいば食べよるごたですもんね。もう本当、すごかったですもんね、日に日にあそこなくなっとる、あそこなくなっとるって」

江北町の農家、武富直樹さん。カモの食害は10年ほど前からあるといいますが、今シーズンの被害は最悪です。

【農家・武富直樹さん】
「今年はうん、今年は特に。カモの数も多いし、広範囲に、広範囲で今年は食べよるですね。基本的にこのへんまではあんまり来ないですもんね。もう本当、向こうの六角川の川沿いが一番ひどかとですけど。どがんゆうたらよかですかね…もう“追いかけごっこ”」

近年は有明海でも、カモによるノリの食害が深刻な問題となっていましたが、今シーズン広がっているのは麦の被害…「ノリが不作だからでは?」との推測もあります。こうしたなか、江北町で始まったのが一風変わったこちらの対策。
ロケット花火の音でカモを追い払う作戦です。ほ場に残るかすかな火薬のにおいもカモは嫌いとのこと。町は約5000発を15万円で購入し、200戸の農家に配りました。果たして、その効果はいかに…

【農家・武富直樹さん】
「まあしないよりはいいですけどね。ただもう1回降り立つところにはやっぱりもう覚えてしまっとるけんまた来ますもんね」

試しに、数百羽が羽休め中のため池で飛ばしてみると…
一度は飛び立つもすぐに戻ってきました。

【農家・武富直樹さん】
「まあ花火しても同じことさって言う人もおるとですけど…ねえ。まあ、小さなことからコツコツとするしかなかでしょうね」

花火のほかにも農家はそれぞれ鳥が嫌がる吹き流しを設置したり、テグスと呼ばれる細い糸を張ったりしていますが、あまり効果はないのが現状。さらに、カモの食害は江北町だけでなく、白石町や鹿島市など各地で確認されていて、地域全体での抜本的な対策が必要と言えそうです。
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