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アトピー性皮膚炎の治療薬開発に期待 佐大医学部が"かゆみ"の原因のひとつを突き止める 【佐賀県】
2023/01/25 (水) 18:20

日本人の20代以下の約10%が悩んでいるというアトピー性皮膚炎。1月10日、その“かゆみ”の原因の一つとそれを防ぐ物質を突き止めたと佐賀大学医学部の教授らが発表しました。今後は治療薬の開発も期待されています。
【息子がアトピー性皮膚炎の母親】
「そこからなんかかゆみを止める薬だったりとか症状が軽くなるようなものが新しく出るんだったらすごく期待してます」
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「CP4715を人間に応用し、アトピー性皮膚炎のかゆみに対する薬として承認していただくようにするということが我々の責務だと思ってます。」
1月10日の会見で、アトピー性皮膚炎に効く薬の開発に意欲を見せたのが佐賀大学医学部の出原賢治教授。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「ペリオスチンという分子がアトピー性皮膚炎の病態を形成するのに重要な役割をはたしているということを約10年前に明らかにし、発表しています。ただ当時は、このペリオスチンがかゆみにどのような作用をするかというのは明らかにしていない、その作用を止めるような物質も見つけていなかった。それを今回明らかにしたというのがこの10年での研究での進歩」
この研究は出原教授のほか、富山大学医学部の教授などが取り組んだもので、アトピー性皮膚炎の強いかゆみの原因の一つについて、タンパク質のペリオスチンだと突き止めたということです。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「ペリオスチンというのは全ての人間が体内で普段からつくっているタンパク質です。骨とか歯の形成とかに重要な役割を果たしているタンパク質です。しかしながらアトピー性皮膚炎の患者さんでは皮疹のところで非常に過剰につくられるというのが特徴です」
このペリオスチン、どのようにしてかゆみを引き起こすのでしょうか。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「過剰につくられたペリオスチンは『かゆみ』を伝える神経の表面にある“インテグリン”というタンパク質に結合します。そうすると刺激が神経に伝わっていき、そして脳に届けられて我々はそれを「かゆい」と認識します」
出原教授たちは10年前にこのペリオスチンがアトピー性皮膚炎と密接なかかわりがあることを発見していましたが、当時は“かゆみ”との関係は分かっておらず、長い年月をかけ、研究を進めてきました。
研究を支えたのはある思いでした。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「アトピー性皮膚炎の研究自体は以前から行っている私の長い研究テーマではありますが、その中で息子がアトピー性皮膚炎に苦しんでいて、そこにももしかしたら少しは役に立つかもしれないということは、私が研究を行ううえでのモチベーションのひとつになってたかとは思います」
出原教授たちは、元々製薬会社が開発していたCP4715という化合物がペリオスチンとインテグリンの結合を防ぐことを発見。
この物質を、アトピー性皮膚炎を発症させたマウスに投与したところ、かゆみが改善することがわかりました。
現在、日本人の子供や20代の若者の約10%がアトピー性皮膚炎にかかっていて、その割合は増加傾向にあるといわれています。
7歳の息子がアトピー性皮膚炎に苦しんでいるという母親はその様子をこう話します。
【息子がアトピー性皮膚炎の母親】
「やっぱり1番はかゆがる、体がかゆくてずっとかきむしってるのでそれはちょっとかわいそう。かきむしりすぎて血が出たりとか傷になったりというのがあります」
患者が持つ悩みについてアトピー性皮膚炎に詳しい杉田和成医師はこう話します。
【佐賀大学医学部皮膚科 杉田和成教授】
「まずはやはり“かゆみ”や皮膚に症状が出ているということでお困りの方が多いです。それによって見た目の問題だとかあるいは、かゆみで夜眠れないとかいわゆるQOLというものを低下してしまう、そういった問題をはらんでいると思うんですね」
杉田医師も出原教授たちの研究に期待を寄せています。
【佐賀大学医学部皮膚科 杉田和成教授】
「今後、出原教授のそういった化合物(CP4715)が実際の臨床の現場で使用できるようになる可能性があるっていうのは非常に画期的なことだと思います。非常に期待しております」
出原教授は、薬の開発には長い年月が必要で、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因は一つではないとしながらも、今回の研究結果をかゆみに対する治療薬の開発に生かしたいと話します。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「CP4715という化合物の特徴ということ、それから患者さんにとって使いやすいお薬でありたいということ、そうしたことからこのCP4715をできれば塗り薬として患者さんに提供できるようにしたいなと考えております」
【息子がアトピー性皮膚炎の母親】
「そこからなんかかゆみを止める薬だったりとか症状が軽くなるようなものが新しく出るんだったらすごく期待してます」
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「CP4715を人間に応用し、アトピー性皮膚炎のかゆみに対する薬として承認していただくようにするということが我々の責務だと思ってます。」
1月10日の会見で、アトピー性皮膚炎に効く薬の開発に意欲を見せたのが佐賀大学医学部の出原賢治教授。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「ペリオスチンという分子がアトピー性皮膚炎の病態を形成するのに重要な役割をはたしているということを約10年前に明らかにし、発表しています。ただ当時は、このペリオスチンがかゆみにどのような作用をするかというのは明らかにしていない、その作用を止めるような物質も見つけていなかった。それを今回明らかにしたというのがこの10年での研究での進歩」
この研究は出原教授のほか、富山大学医学部の教授などが取り組んだもので、アトピー性皮膚炎の強いかゆみの原因の一つについて、タンパク質のペリオスチンだと突き止めたということです。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「ペリオスチンというのは全ての人間が体内で普段からつくっているタンパク質です。骨とか歯の形成とかに重要な役割を果たしているタンパク質です。しかしながらアトピー性皮膚炎の患者さんでは皮疹のところで非常に過剰につくられるというのが特徴です」
このペリオスチン、どのようにしてかゆみを引き起こすのでしょうか。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「過剰につくられたペリオスチンは『かゆみ』を伝える神経の表面にある“インテグリン”というタンパク質に結合します。そうすると刺激が神経に伝わっていき、そして脳に届けられて我々はそれを「かゆい」と認識します」
出原教授たちは10年前にこのペリオスチンがアトピー性皮膚炎と密接なかかわりがあることを発見していましたが、当時は“かゆみ”との関係は分かっておらず、長い年月をかけ、研究を進めてきました。
研究を支えたのはある思いでした。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「アトピー性皮膚炎の研究自体は以前から行っている私の長い研究テーマではありますが、その中で息子がアトピー性皮膚炎に苦しんでいて、そこにももしかしたら少しは役に立つかもしれないということは、私が研究を行ううえでのモチベーションのひとつになってたかとは思います」
出原教授たちは、元々製薬会社が開発していたCP4715という化合物がペリオスチンとインテグリンの結合を防ぐことを発見。
この物質を、アトピー性皮膚炎を発症させたマウスに投与したところ、かゆみが改善することがわかりました。
現在、日本人の子供や20代の若者の約10%がアトピー性皮膚炎にかかっていて、その割合は増加傾向にあるといわれています。
7歳の息子がアトピー性皮膚炎に苦しんでいるという母親はその様子をこう話します。
【息子がアトピー性皮膚炎の母親】
「やっぱり1番はかゆがる、体がかゆくてずっとかきむしってるのでそれはちょっとかわいそう。かきむしりすぎて血が出たりとか傷になったりというのがあります」
患者が持つ悩みについてアトピー性皮膚炎に詳しい杉田和成医師はこう話します。
【佐賀大学医学部皮膚科 杉田和成教授】
「まずはやはり“かゆみ”や皮膚に症状が出ているということでお困りの方が多いです。それによって見た目の問題だとかあるいは、かゆみで夜眠れないとかいわゆるQOLというものを低下してしまう、そういった問題をはらんでいると思うんですね」
杉田医師も出原教授たちの研究に期待を寄せています。
【佐賀大学医学部皮膚科 杉田和成教授】
「今後、出原教授のそういった化合物(CP4715)が実際の臨床の現場で使用できるようになる可能性があるっていうのは非常に画期的なことだと思います。非常に期待しております」
出原教授は、薬の開発には長い年月が必要で、アトピー性皮膚炎のかゆみの原因は一つではないとしながらも、今回の研究結果をかゆみに対する治療薬の開発に生かしたいと話します。
【佐賀大学医学部 出原賢治教授】
「CP4715という化合物の特徴ということ、それから患者さんにとって使いやすいお薬でありたいということ、そうしたことからこのCP4715をできれば塗り薬として患者さんに提供できるようにしたいなと考えております」
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