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2020.02.19

さをり織り職人 江上芳香さん

さをり織り職人・江上芳香さんをご紹介します。
昔懐かしい、心地いいリズム。40年間、この音を奏でながらさをり織りを織り続ける江上さん。

さをり織りは、自由な織物で、織った人の心を映し出します。素材も色もデザインも特に決まりはなく、失敗と思える穴やほころびですら、作品の味わいになります。

江上さんは、さをり織りについて「普通の織物っていうのは、ちゃんと色合いだなんだって考えなきゃダメ。ところが、さをり織りはあるものを重ねて、これとこれとを合わせてどうして?っていうような品物が出来上がるのが楽しみ。穴が空いてたり、同じ段ばっかりっていう、面白さが違いますよね。どういう色でも載せていきさえすれば、それが一つのものに出来上がる。その楽しさっていうのは表現できない。俗にいうピカソみたいな、ああいう世界ね」と話します。


織り方はとても簡単です。織り機のペダルを踏むと縦糸が上下に分かれます。

その間に好きな色の糸を通して、押し込む。

使う素材や色が変われば、仕上がりはガラリと表情を変えます。毛糸やシルク、古着を裂いた端切れが、新たな布に生まれ変わります。


「考えるんじゃなくて、ただ夢中に重ねる。感性のままに、色をとって載せさえすればいいんですよね。上手に織って、この色は合うとか合わないじゃなくって、これが好きだ!って言って載せてくださった方が一番いいと思う」と作る際のポイントを話す江上さん。

最後に「自分の心を織っているのと同じ。だから嬉しい時の布扱い、悲しい時…。綺麗なものを織ろうと思わなくて、とにかくヘタがいい。それが、いちばんのモットーでしょうね。だからヘタなものが一番いいものが出来上がる。私は上手だ、私は上手に織りたい、人に見せたいっていうのじゃなくて、意のままに自分の心をどんどん織っていけばいいんですよね」と語っていただきました。


ギャラリー山水

電話番号:0952-51-1763

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