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2019.11.27

42カ国・4000点から選ばれたチーズが嬉野に!若手酪農家の挑戦

嬉野市にある「ナカシマファーム」。そこで作られたブラウンチーズが2019年10月の世界大会で見事、銅賞を獲得しました。「挑戦するしかない。その姿勢を次の世代に見せることが大事」と話す代表の中島大貴さんにブラウンチーズを作るきっかけとなった「酪農への思い」について聞きました。

ナカシマファームのブラウンチーズ

嬉野市塩田町のチーズ工房「ナカシマファーム」。
代表を務めるのは中島大貴さん33歳です。
中島さんは2019年10月、イタリアで開かれた国際チーズコンテストに約3年かけて開発したブラウンチーズを出品。42カ国およそ約4000点のチーズの中から見事銅賞に選ばれました。
「海外でチーズの文化でいうと圧倒的に欧州が深い。メダルの色は関係なく、世界のチーズの中で風味が認められたのはすごくうれしかった。」と中島さんは話します。
ブラウンチーズの原材料は牛乳のみで、砂糖は一切使っていません。ですが糖度は50度以上!
チーズというよりもキャラメルのような甘さでとても濃厚。コーヒーや紅茶との相性も抜群だそうです。
中島さんはチーズ工房の裏の牧場で乳牛約90頭を飼育しています。

全国の酪農家の数は、2015年までの10年間に約3割減少しています。
家業の酪農を継いだ中島さんは、牛乳を知り尽くした酪農家自らチーズを作ることで「酪農の魅力を伝えたい」と、7年前に工房を立ち上げました。

中島さんがブラウンチーズを開発するにいたったのにはある社会問題が背景にありました。
チーズをつくるとき、牛乳から脂肪分などを取り除いた後に残る液体「ホエイ」。使い道が見つからずこれまでは廃棄せざる得ませんでしたが「どうにか活用したい、フードロスに取り組みたい」という思いからホエイを使用したチーズ作りに取り組んだそうです。

「ブラウンチーズを日本でつくっている人は誰もいなくて、製法が全く分からない状態での独学で手探りの状態でスタートした」と、大変だったことを振り返る中島さん。
試行錯誤の末、ホエイと生乳を6時間煮詰めることでブラウンチーズを完成させました。

中島さんが酪農家として大切にしていることは「常に挑戦し続ける姿勢」です。
「どんどん農家が減っていって若い農家は圧倒的に少ない。これまでにないものにチャレンジすることで一次産業を盛り上げていけたらと」話してくれました。

チーズ作りを始めて7年。若手農家の挑戦が生んだ、世界も認めたブラウンチーズ。酪農の魅力を発信する挑戦は、まだまだ続きます。

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