8月25日（火）佐賀県内は台風の被害に見舞われました。

この日、私はJR佐賀駅から中継しました。暴風に強風、そして乗客の安全のための線路点検などで列車は始発から長らく運転を見合わせていたためその間、駅構内の人たちは、地面やベンチに座りこんでいました。長い人では8時間以上、電光掲示板をじっと見つめ運転再開を待ち続けていました。

そんな中。風のような優雅な音色が疲労感漂う駅構内を吹き抜けます。

唐津市出身の篠笛奏者、佐藤和哉さんです

この日、佐藤さんも台風の影響で佐賀駅から動けなくなっていました。「疲労感あふれる構内をどうにかしたい」と即興で演奏してくださいました。音色が構内に吹き抜けた瞬間疲れていた様子の客や駅員は、ハッと佐藤さんの方を振り向き、構内の人たちの表情はみるみる明るくなっていきました。「音楽ってここまですごいのか！」と肌で感じた瞬間でした。

佐藤さんを囲む、列車の運転再開を待つ人々。演奏から約1時間後に列車は運転再開。

再開はしたものの、多少の遅れはその後も引き続き生じていたため佐藤さんは3時間余り構内で、列車を待つ人たちのために演奏を続けられました。

「誰かのための音楽」「人を癒す音楽」佐藤さんという奏者と音楽の素晴らしさ、そして突然の演奏を快く迎える人の温かさに感動した日でした。台風の被害に合われた方が1日でも早く元通りの生活を送れることを願っています。