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世界初!わずか0.07ミリの卵の薄い膜から液体肥料を開発 廃棄するものを商品化【佐賀県】
2024/02/13 (火) 18:19

今回はさがリサーチαです。
わずか0.07ミリという身近な食材のある部分を使った液体肥料を有田町の企業が開発しました。特許技術を使い、世界で初めて商品化に成功したということです。環境にも配慮した新しい肥料として注目されています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「まさかこれだけいろいろな力が秘められているというのは本当に驚き」
去年12月、家庭園芸向けの新商品の液体肥料の販売が始まりました。
パッケージをよく見てみると“たまごの液肥”と書かれています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「特徴としては卵由来の資源を生かして卵殻膜・卵殻を新たな商品としてアップサイクル(廃棄物の製品化)していくという取り組みを行っている」
製造しているのは、有田町にある「ENEGGO(エネゴ)」
2年前に設立したばかりの企業で、現在は5人のスタッフが液体肥料の開発から製造まで一貫して行っています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「こちらが卵殻膜。もともとは殻と一体だが、乾燥させ分離して膜だけを取り出した状態」
そもそも卵殻膜とは?
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵を割ったときに卵の殻の内側に付く薄い膜のこと。もしくはゆで卵で殻を割ったときに卵側にひっつくような薄い膜がある、あれが卵殻膜」
その薄さはわずか0.07ミリ
卵を食べる私たちにとってはちょっとやっかいなものですが、ヒヨコを紫外線や乾燥、病原菌から守る重要な役割を果たしています。
しかし、通常は卵殻とともに廃棄されるものでその量は国内で年間約25万トンにのぼり多くが焼却処分されているといいます。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「本来は廃棄されている、これまで使われなかった卵殻膜をアップサイクルしていくということを一つの目標にしている」
卵殻膜は成分の70パーセント以上がタンパク質といわれていて、そのタンパク質の元になっているのがアミノ酸です。
植物は一般的に光合成でアミノ酸をつくり出します。
しかし天候不良や暑さ、寒さなど環境によって光合成が上手くできず、栄養不足になるケースも。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「ここが弊社の1番の技術になる。酵素を用いて卵殻膜のタンパク質を分解し、アミノ酸の状態にして抽出している」
ENEGGOは水に溶けにくい性質の卵殻膜を分解する技術で特許を取得。
植物が吸収できるレベルのアミノ酸を抽出し、世界初という、卵殻膜由来の液体肥料の開発に成功しました。
ホームセンターなどで販売を始めてから約2ヵ月。
取り扱い店舗も増えているといいます。
たまごの液肥の開発が始まったのは5年ほど前。
親会社が黒板用のチョークやスポーツ用のライン材など卵の殻を使った商品を作っていたことから、その栄養成分に着目したのです。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵の殻を土にまくことによって植物がよく育つということは昔から経験的に知られてた」
しかし開発までの道のりはそう簡単ではありませんでした。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「液体肥料をそのまま保管していたら成分の一部がガス化してしまい、アンモニア臭のような鼻をツーンと刺激するような臭いが発生した」
ほかにも栄養を多く含んでいることから、液体の表面にカビが生えるといった問題が発生しましたが、ひとつひとつ乗り越え発案から約10年かけ納得のいく液体肥料ができあがったといいます。
この日、ENEGGOで営業や広報などを担当する佐藤さんは、たまごの液肥を試験的に使用している生産者を訪ねました。
【生産者 西山英樹さん】
「生育が明らかに違うというのはわかった」
そう話すのは施設園芸でキュウリやトマトなどを栽培する西山英樹さんです。
去年の春からENEGGOの液体肥料を使用していて、この時期はミズナを栽培しています。
ハウス内で育ったミズナを見比べて見ると一目瞭然。
たまごの液肥を使った方は色つやはもちろん、生育にバラつきも見られません。
【生産者 西山英樹さん】
「新しい農業の救世主になっていくんじゃないかという可能性を感じている」
【ENEGGO管理部 佐藤裕さん】
「効果も目に見える形で実感いただいたのが一番うれしかった。環境にもいい形で農業の世界に貢献していきたいと考えていたので、そこを生産者の思いや需要の部分との一致を確認できたのがよかった」
さらにたまごの液肥にはこんな特徴も。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵の殻も再利用していて、商品のボトルに一部卵殻を配合している」
ボトルは卵の殻を粉砕し樹脂と混ぜることで従来の石油由来の原料の使用量を減らしています。
廃棄されるものがもったいないという思いから生まれたこの液体肥料、環境にも配慮した取り組みにも期待が寄せられます。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「使わずに捨てられるものも改めてよく考えてみると貴重な資源であるということが身の回りに多く、気づかないところにもあるなかで、われわれはたまたま卵だった。まずは家庭園芸用としてみなさんに使っていただき、次は生産者や農業向けに展開していき、さらに将来的には海外に向けても展開していけたら」
わずか0.07ミリという身近な食材のある部分を使った液体肥料を有田町の企業が開発しました。特許技術を使い、世界で初めて商品化に成功したということです。環境にも配慮した新しい肥料として注目されています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「まさかこれだけいろいろな力が秘められているというのは本当に驚き」
去年12月、家庭園芸向けの新商品の液体肥料の販売が始まりました。
パッケージをよく見てみると“たまごの液肥”と書かれています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「特徴としては卵由来の資源を生かして卵殻膜・卵殻を新たな商品としてアップサイクル(廃棄物の製品化)していくという取り組みを行っている」
製造しているのは、有田町にある「ENEGGO(エネゴ)」
2年前に設立したばかりの企業で、現在は5人のスタッフが液体肥料の開発から製造まで一貫して行っています。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「こちらが卵殻膜。もともとは殻と一体だが、乾燥させ分離して膜だけを取り出した状態」
そもそも卵殻膜とは?
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵を割ったときに卵の殻の内側に付く薄い膜のこと。もしくはゆで卵で殻を割ったときに卵側にひっつくような薄い膜がある、あれが卵殻膜」
その薄さはわずか0.07ミリ
卵を食べる私たちにとってはちょっとやっかいなものですが、ヒヨコを紫外線や乾燥、病原菌から守る重要な役割を果たしています。
しかし、通常は卵殻とともに廃棄されるものでその量は国内で年間約25万トンにのぼり多くが焼却処分されているといいます。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「本来は廃棄されている、これまで使われなかった卵殻膜をアップサイクルしていくということを一つの目標にしている」
卵殻膜は成分の70パーセント以上がタンパク質といわれていて、そのタンパク質の元になっているのがアミノ酸です。
植物は一般的に光合成でアミノ酸をつくり出します。
しかし天候不良や暑さ、寒さなど環境によって光合成が上手くできず、栄養不足になるケースも。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「ここが弊社の1番の技術になる。酵素を用いて卵殻膜のタンパク質を分解し、アミノ酸の状態にして抽出している」
ENEGGOは水に溶けにくい性質の卵殻膜を分解する技術で特許を取得。
植物が吸収できるレベルのアミノ酸を抽出し、世界初という、卵殻膜由来の液体肥料の開発に成功しました。
ホームセンターなどで販売を始めてから約2ヵ月。
取り扱い店舗も増えているといいます。
たまごの液肥の開発が始まったのは5年ほど前。
親会社が黒板用のチョークやスポーツ用のライン材など卵の殻を使った商品を作っていたことから、その栄養成分に着目したのです。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵の殻を土にまくことによって植物がよく育つということは昔から経験的に知られてた」
しかし開発までの道のりはそう簡単ではありませんでした。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「液体肥料をそのまま保管していたら成分の一部がガス化してしまい、アンモニア臭のような鼻をツーンと刺激するような臭いが発生した」
ほかにも栄養を多く含んでいることから、液体の表面にカビが生えるといった問題が発生しましたが、ひとつひとつ乗り越え発案から約10年かけ納得のいく液体肥料ができあがったといいます。
この日、ENEGGOで営業や広報などを担当する佐藤さんは、たまごの液肥を試験的に使用している生産者を訪ねました。
【生産者 西山英樹さん】
「生育が明らかに違うというのはわかった」
そう話すのは施設園芸でキュウリやトマトなどを栽培する西山英樹さんです。
去年の春からENEGGOの液体肥料を使用していて、この時期はミズナを栽培しています。
ハウス内で育ったミズナを見比べて見ると一目瞭然。
たまごの液肥を使った方は色つやはもちろん、生育にバラつきも見られません。
【生産者 西山英樹さん】
「新しい農業の救世主になっていくんじゃないかという可能性を感じている」
【ENEGGO管理部 佐藤裕さん】
「効果も目に見える形で実感いただいたのが一番うれしかった。環境にもいい形で農業の世界に貢献していきたいと考えていたので、そこを生産者の思いや需要の部分との一致を確認できたのがよかった」
さらにたまごの液肥にはこんな特徴も。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「卵の殻も再利用していて、商品のボトルに一部卵殻を配合している」
ボトルは卵の殻を粉砕し樹脂と混ぜることで従来の石油由来の原料の使用量を減らしています。
廃棄されるものがもったいないという思いから生まれたこの液体肥料、環境にも配慮した取り組みにも期待が寄せられます。
【ENEGGO開発製造責任者 野添久さん】
「使わずに捨てられるものも改めてよく考えてみると貴重な資源であるということが身の回りに多く、気づかないところにもあるなかで、われわれはたまたま卵だった。まずは家庭園芸用としてみなさんに使っていただき、次は生産者や農業向けに展開していき、さらに将来的には海外に向けても展開していけたら」
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