佐賀のニュース
海洋プラスチックごみが固形燃料に 石炭など既存の燃料にとってかわる可能性【佐賀県】
2023/06/22 (木) 18:23
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木炭のようにも見えますが実はこちら、プラスチックごみを原料に作られた固形燃料なんです。まだ試作段階ですが石炭など既存の燃料にとってかわる可能性を大いに秘めています。
海岸に漂着したたくさんのごみごみごみ。
5月、唐津市の海岸で漂着したごみを拾い集めるボランティア活動があり、地元の漁業者など10人あまりが参加しました。
【参加した女性】
「生物に与える影響とか考えたらちょっとでも自分でできることを手伝いたいと思って」
【女の子】
「いろんなごみがありました。ペットボトルが多い」
【漁業者さん】
「大型船のオイルが入ったようなポリタンクとか、養殖の網とか。汚れを落とすための薬品だったりっていうポリタンクが流れてきている」
集められた様々なプラスチックごみは処分されるのではなく今後、あるものに生まれ変わります。
【NPO法人 浜-街交流ネット唐津 千々波行典代表理事】
「県内の産廃処理施設でRPF、固形燃料にします」
RPFとは、産業廃棄物のうち、リサイクルが難しいプラスチックなどを原材料とする固形燃料のことです。
RPFを燃料として使うことで石炭と同程度の熱量を持ち、安価に調達でき、化石燃料を使う時よりもCO2排出を削減できるといったメリットがあるといいます。
佐賀県では9万4千トンあまりのプラスチックごみが年間捨てられているといいます。
「こちらはRPFを作る新倉庫、機械を入れる倉庫です」
産業廃棄物の処理を行っている佐賀市の会社ではRPFを作るための施設の整備が進められています。
新たに機械を導入し9月からの稼働を目指していて1時間あたり2トンのRPFの生産を目指します。
【佐賀クリーン環境 篠原和広専務】
「去年の4月に廃プラスチックを各自治体とか排出事業社の皆さんにリサイクルをしなさい、再商品化しなさいという新しい法律ができたものですから」
新しい法律とは、去年4月に施行された「プラスチック新法」です。
プラスチックごみをただ焼却処分するのではなく商品としてリサイクルしよう、というのが法律の柱になっています。
【佐賀クリーン環境 篠原和広専務】
「それを契機としてビジネスチャンスがあるかと思い事業を計画した」
RPFを使うことは企業のイメージアップやコスト削減にもつながるということで、すでに製紙会社などから引き合いがあり手ごたえを感じているといいます。
一方、こんな悩みも。
【佐賀クリーン環境 篠原和広専務】
「RPFを大量に作るにはこの廃プラが余計必要なんです。今の量では足りない」
現状回収しているプラスチックごみは、事業所から回収しているものが多く、今後供給を増やすためにも、家庭から出るごみを回収している自治体への”営業”も必要になってきます。
また、プラスチックが分別されていない自治体もあるため安定的に生産するためにはごみを出す段階での「分別」も不可欠です。
【佐賀クリーン環境 篠原和広専務】
「ごみの量も減るし脱炭素にも大きく貢献するので分別の大切さを周知していただければもっともっとごみを分けて頂けるのではないか」
”限りある資源を循環的に利用し石油などの天然資源の消費を抑える”ため、今後どのように広がっていくのか期待が高まります。
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