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昭和23年 有田川の大洪水「流域を一瞬にして荒野に」 "23水”の記憶を後世に【佐賀県伊万里市】
2021/04/14 (水) 19:50
「災害~私の記憶」、今回は有田町や伊万里市を流れ生活や利水において重要な役割を担う有田川。今からおよそ70年前、大洪水を引き起こしました。伊万里市二里町の金武(かんたけ)地区には当時の状況を詳細に記録している帳簿が残されています。
【金武区自治会・元区長 田中秀明さん】「金武地区が10万円を積み立てる時の基金の台帳。積み立ての記録を作っていたがその後いろんな行事もこれに書いた方がいいだろうということで“23水”と被害の状況などを書いている」
伊万里市二里町金武地区でおよそ100年前から歴代の区長などが受け継いでいる「積立基金台帳」1948年昭和23年の有田川の大洪水いわゆる“23水”の被害状況が詳細に記録されていて、70年以上経った今も、当時の状況を鮮明に知ることができます。
「昭和23年9月11日有田川の大洪水は流域沿岸を一瞬にして荒野と化せしめた」「9時40分有田川は増水に達し濁水はすなわち川岸堤防を越え警鐘乱打防水出勤となる」
台帳によると、この洪水は1948年9月10日から降り続いた雨の影響で、11日の夜から12日の未明にかけて発生し、伊万里市や有田町を襲いました。二里町全体では12人が死亡。そのうち金武地区は8人が犠牲となり6戸の家屋が流出しました。
【金武区自治会・元区長 田中秀明さん】「水害の時はちょうどここまで笠のところまで来ていた(高さは)1メートル50…40ぐらいある」当時小学4年生だった田中秀明さんは、記録をもとに被害が拡大した要因についてこのように話します。【金武区自治会・元区長 田中秀明さん】「特に亡くなった方の多くは、新しく家を建てて「自分の家は大きいし頑丈に作っているから大丈夫だろう」と思っていた。水が来たら(家が)ぐっと浮かぶから、そのままザーッと流れてしまっている」
洪水の被害などを受け1968年度から川幅を拡大するなどの改修工事が行われ、有田川による水害はほとんど起きなくなりました。しかし、田中さんは区長を務めていた2005年からの7年間、記録をもとに金武地区の歴史を記した冊子を作成するなどして水害への警鐘を鳴らし続けています。【金武区自治会・元区長 田中秀明さん】「(有田川は)穏やかでこれが一番いいが、こういう状態が続けばますます記憶から薄れてしまう。それを無くして“23水”を記憶に留めてもらいたいというのが私の願い」
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